子供の頃に見た、NHKの人形劇、紅孔雀
手塚治虫の漫画、三つ目が通る
そんなすり込みがあったかもしれませんが、
何度も訪れたメキシコは
とても、とても、なじみやすい、
なんだか、懐かしいような国でした。
そして、歴史と、石の彫像、建築物
どれだけいても、飽きることの無い国、メキシコ
そのメキシコの二つの文明が、特に私をひきつけます。
隠されたピラミッド
MAYAの遺跡 TIKAL
(グアテマラの遺跡)

夜明けにはまだ少しだけ早い朝靄の中、本当にここでいいのか? と思いながら、ろくに整備もされていない、うっそうとしたジャングルの小道をゆく。と、突然バッーンと視界が開け、ズドーンと現れたマヤのピラミッド。グアテマラのティカル遺跡。感動しました。
ところで、このマヤの遺跡は、コロンブスの新大陸発見以降、長い間、意図的に隠匿されてきました。世界一進んだはずの西洋文明からやってきたキリスト教徒にとって、野蛮人が住む新大陸に、自分達の街より立派な建造物があるなんて、許されないこと。なので、本国には、発見の報告すらせず、破壊し、隠し続けたわけです。

でも、そこに、確実にあるのです。
ティオティワカン
スペインに滅ぼされた、メキシコ最後のインディヘナの王国アステカ。西暦1600年くらいの話。大昔の文明ではありません。
このティオティワカンという都市は、7世紀には、最盛期を過ぎ、衰退したらしい。つまり、アステカ人にとっても、ここは、「遺跡」だったようです。
とにかく、ひろい
ケツァルコアトル
羽毛の生えた蛇

メキシコ地方の文明の祖は、4000年ほど前のオルメカ文化だといわれています。その始まりの文明から、進行の対象となっている、羽毛の生えた蛇。
非常にかっこいい石造が、いろいろな時代から、数多く出土しています。
雨や水を支配する農耕の神、ケツァルコアトルは、また、教養や平和の神でもあったそうで、戦士の国、生贄の文化を持つトルテカやアステカの民族にとって、ある場合には、邪魔者、でもあったといわれています。
それにしても、非常にかっこいい。私も、好んで爬虫類をモチーフにしますが、蛇に、鳥の羽を生やす、というのは、今では、羽毛のような羽が生えていたとされる恐竜の姿に通じるところもあり、非常に、興味深いです。
エジプトの3大ピラミッドは、ヨーロッパ人のすぐ隣にあり、しかも、隠すことのできない砂漠に建てられています。歴然とそこにあるので、無視することもできず、ヨーロッパ人による、エジプト文明の研究は、絶えず行われてきました。
一方、ヨーロッパから遠く離れた新大陸に、エオーロッパ人に知られること無く、続いてきたマヤ、アステカ、そしてそれ以前にあったオルメカなどの文明は、突然のヨーロッパ人の「新大陸発見」により、破壊と略奪だけ、されて、完全に継承が途切れてしまいました。さらに悪いことには、長らく、忌み嫌われ、存在を隠されてきたために、今になって、研究をしようとしても、手がかりがありません。
メキシコ国立人類学博物館の素晴らしい石造について語られるガイドの説明が、20年前と10年前、そして今現在、かなり、違うこともあります。研究が始まったばかりで、昨日までの定説も、明日には覆る、ということがよくあるようです。
しかし、その石造のつくりの素晴らしさ、デザインの素晴らしさ、そして、見るものに訴えてくる「力」は、まったく変わりません。モンゴロイドとして、インディヘナと同じ遺伝子を持つ我々には、特に強く、訴えかけてくるものがあるのかもしれません。
メキシコ国立人類学博物館、何度もいきました。まだ何度でも行きたいです。


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