彫りの小話
一般に「彫金」というと、彫るだけではなく、糸鋸で切ったり、バーナーで蝋付けしたり、貴金属製品や金属の工芸品をつくる技術全般をさすことが多いのですが、ここでは、文字通り、金属を彫る技術を、実際の龍棲の指輪の製作工程を通してご紹介します。
一番手のかかる、伝統的唐草の製作工程をご紹介いたします。
まずは、ミル打ち(両脇のぽちぽち)を打つための線を彫りますので、「ぶんまわし」という、コンパスのような道具で表面にけがきをします。

 ぶんまわし
毛彫り鏨でまっすぐ、四本の線を入れます。

 彫刻台という、彫り専用の万力のようなもので固定します。
ミル打ちのための線が四本入ったところ

  毛彫り鏨の先端
に、唐草を彫る中央部を、荒らし鏨で荒らしてゆきます。

   荒らし鏨
荒らし鏨を入れ終わったところ。これだけでも十分にきれいです。
唐草の下書きは鉛筆で入れます。
片切り鏨で唐草を彫ってゆきます。

  片切り鏨の先端
唐草を彫り終わったところ
片切り鏨や毛彫り鏨を適材適所に使用して、彫り進めます。

  おたふく槌と呼ばれる金槌を使います。
最後はミル鏨で両脇にミル打ちをします。

  ミル鏨
彫りが終わったら、リューターで磨き、、
完成です。
参考)彫りの技術は文様を入れるだけでなく、石留めにも使われます。
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